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洗濯後にDWRの撥水性が落ちる理由:生地調達の確認ポイント

初期のスプレー試験結果だけでは洗濯耐久性を判断できません。C0 DWRの選定、加工管理、洗濯条件を、70Dナイロンの事例で解説します。AATCC 22は初期90、20回洗濯と規定の加熱乾燥後80以上でした。

軽量ナイロン織物の表面撥水性を確認する際に、生地上にできた水滴

新品では水をよく弾く生地でも、洗濯後に要求される撥水性を満たさない場合があります。加工剤の選定や付与量の不適合が一因となりますが、スプレー等級の低下だけでは原因を特定できません。洗濯プログラム、乾燥方法、試料の状態も確認が必要です。

調達側が問うべきなのは「水を弾くか」だけではなく、「この衣服について合意したケア条件で10回、20回洗濯した後に、どの程度の性能が維持されるか」です。アウトドア衣料の洗濯を避けるという意味ではありません。耐久撥水加工は、想定するケア方法に合わせて開発・承認する必要があります。

1. 初期のDWR性能は最初の確認にすぎない

開発サンプルの水玉は、現在の表面挙動を示すもので、洗濯耐久性の証明ではありません。「C0 DWR、スプレー評価90」だけでは、90が洗濯前、洗濯後、または両方の要求なのか分かりません。

AATCC TM22 撥水性スプレー試験は、管理された散水条件で表面のぬれ抵抗を評価し、ぬれ方を規定の評価尺度と比較します。数値は防水率ではありません。AATCC 22で90でも「90%防水」という意味ではありません。

この試験法だけで、評価前の洗濯方法が決まるわけでもありません。洗濯と乾燥は別途指定します。水玉だけで初期サンプルを承認し、後から洗濯条件を確認すると、不合格によって生地承認、製品サンプル、量産が遅れる可能性があります。

加工ルートの承認前に、初期評価・洗濯回数・洗濯後の目標値を合意してください。

2. C0 DWRと従来のフッ素系DWR

C0は、非フッ素系の撥水加工ルートを指す商業上の呼称として一般的です。従来のフッ素系DWRはフッ素化学を使用します。ただし名称だけでは、その完成生地が20回洗濯後にどのような性能を示すかは分かりません。加工剤の系統を変更する場合、既存レシピや承認をそのまま引き継がず、個別に開発・検証します。

調達では、次の三つを分けます。

撥水性:スプレー試験法、初期評価、洗濯後要求を定義します。C0の耐久性は実際の生地で評価し、加工名から推定しません。

その他の性能:撥水加工が撥油性や防汚性も備えるとは限りません。必要なら別の仕様と裏付け試験を設けます。

PFAS:「PFASなしのDWR生地」には明確な対象範囲が必要です。意図的に添加したPFASがないことを要求する場合、化学資料、生産管理、必要なラボ検証とともに指定します。

C0は、完成生地の全構成要素にあらゆるPFASが存在しないことを証明する認証ではありません。NDも試料、対象物質、方法、検出限界・報告限界の範囲内の結果であり、絶対的なゼロの証明ではありません。PFAS管理情報では案件別の対応を説明しています。

化学的な要求と、実測した洗濯耐久性の両方を確認し、一方で他方を代替しないことが重要です。

3. 洗濯で撥水性が低下する理由

CC Textileの開発では、洗濯後目標を満たさない案件で加工剤の選定や使用量の不適合が確認されています。ただし、すべての不合格試料が同じ原因とは限りません。

加工剤の選定:初期評価が合格でも、その生地で要求される洗濯耐久性に適しているとは限りません。選定した加工剤、生地構造、加工方法、洗濯後目標を結び付けて開発試験を行います。初期値だけの承認では、この関係が未検証です。

使用量:選定した剤と工程に合う量が必要です。不適切な付与量で耐久性を満たせない場合がありますが、多いほど良いという意味ではありません。変更は加工剤の技術指針に従い、完成生地で確認します。洗濯不合格時は加工記録を見直して関連試験をやり直し、検証なしに増量しないことが大切です。

条件の比較:洗濯法と洗剤は同じか。規定の乾燥後に評価したか。追加加熱や撥水剤の再加工を行ったかを確認します。

ISO 6330は繊維試験の家庭洗濯・乾燥手順を規定しますが、複数の選択肢があり、規格番号だけでは条件が決まらないことがあります。規定の加熱乾燥後の結果を自然乾燥後と同じように示してはいけません。処理履歴と評価状態を報告書に記載します。

4. 夏季生産の難しさ:70Dナイロンの事例

欧州顧客向け軽量ジャケットの案件は、現場条件の重要性を示しています。生地は70Dナイロン織物、約110 GSM、C0 DWR仕様でした。

夏季の高温下では撥水結果が不十分でした。生産チームはDWR作業液へ直接氷を加えて液温を下げました。氷が溶けると水量も増えるため、別途加工剤を追加して濃度を調整しました。

調整後の評価結果は次のとおりです。

• AATCC 22初期評価:90

• 20回洗濯後のAATCC 22:80以上

• 評価前処理:規定の加熱乾燥

この結果は当該案件の洗濯・乾燥条件に対応するもので、すべての70DナイロンやC0 DWRの固定仕様ではありません。

氷の投入が撥水加工の標準解決策ということではありません。温度管理と濃度調整を併せて実施したため、冷却だけで性能が得られたとは言えません。別の加工剤、生地、生産ラインでは適切な条件が異なります。温度変更は検証済み工程の範囲で行い、作業液の変化を考慮します。

調達側に有用なのは、加工側が実際の条件を管理し、仕上がった生地を検証できるかという問いです。レシピ名と初期評価だけでは判断できません。

5. DWRは防水性そのものではない

DWRは表面のぬれを抑えますが、加圧水の侵入抵抗を単独で証明するものではありません。水玉ができず表地に水が広がる場合、ウェットアウトしていても下のメンブレンが壊れているとは限りません。

逆に、高いスプレー評価だけで防水レインジャケット用として適切とも言えません。コーティング・メンブレン、耐水圧、縫い目、テープ、開閉部について別の裏付けが必要です。

DWRを施した軽量ジャケット生地は、追加構造と試験で防水性を裏付けない限り「撥水」と表現します。濡れた表地とテープ処理不十分な縫い目の漏水では調査が異なります。スキージャケットの不具合原因も参照してください。

70D事例は案件固有の洗濯後表面撥水性を示すもので、スプレー評価は耐水圧値ではありません。

6. 調達仕様に記載する項目

有用な仕様は、供給者に達成目標を、試験所に評価方法を示します。承認前に以下を確認します。

• 生地識別:組成、構造、糸規格、GSM、色、試料・ロット番号

• 加工:C0 DWRのルートと別途化学制限

• スプレー試験法と顧客指定の版

• 初期の最低評価

• 洗濯回数と洗濯後の最低評価

• 洗濯:方法、プログラム、温度、洗剤

• 乾燥:方法、温度、時間、別途許容する追加加熱

• 再加工:撥水剤再付与を除外するか、別のメンテナンス評価とするか

• 評価:調湿、抜取計画、試験所、合格基準

• 量産確認:対象試料と試験時期

撥水剤の再付与と洗濯耐久性は混同できません。再加工後の結果は、追加処理なしとは異なる評価です。乾燥条件は完成衣料のケア表示にも適合させます。試験の乾燥に衣服が耐えないなら、仕様を見直す必要があります。

RFQの出発点

以下はナイロン事例で確認された水準を使った開発依頼の例で、一般的な性能保証ではありません。

生地:軽量ジャケット向け70Dナイロン織物、約110 GSM。

加工:C0 DWR。意図的添加PFASなしの要求は別記。

スプレー:AATCC 22、合意した版。初期90以上。20回洗濯と合意した加熱乾燥後80以上。

ケア詳細:方法、プログラム、温度、洗剤、乾燥工程、追加処理を試験前に確定。

検証:完成生地の代表試料を使用し、試験所と量産抜取計画を生産前に合意。

コーティング・ラミネートシェルには、防水性と水分移動の要求を別途加えます。防水生地仕様チェックリストで追加項目を説明しています。

新しいサンプルの水玉だけでなく、定義した洗濯後性能でDWRを承認することが基本です。

参照生地、不合格の洗濯試験報告書、目標ケア条件があれば、サンプルに基づく開発と適切な検証についてCC Textileへお問い合わせください。FacebookのCC Textileからもつながれます。

よくある質問

洗濯後にDWRが効かなくなるのはなぜですか?

加工剤や使用量の不適合が原因となる場合があります。ただし原因判断の前に洗濯・乾燥・評価条件を確認してください。スプレー評価の低下だけでは生産上の問題を特定できません。

C0 DWRは20回洗濯後も撥水性を保てますか?

検証した生地と加工ルートでは可能です。CC Textileの70Dナイロン案件はAATCC 22初期90、20回洗濯と規定の加熱乾燥後80以上でした。案件固有の結果であり、C0全体の共通仕様ではありません。

洗濯後DWR試験で乾燥方法は重要ですか?

はい。乾燥方法と追加加熱を記載します。加熱乾燥後と自然乾燥後の結果を同等には扱えません。試験法は衣服の予定ケア方法とも適合させます。

スプレー評価が下がると防水性も失われますか?

必ずしもそうではありません。スプレーは表面のぬれ、耐水圧は水の侵入を評価します。膜が漏れなくても表地はウェットアウトし、高いスプレー評価だけでも防水性は証明できません。